【子猫の育て方・飼い方】トイレやミルクのあげ方からワクチンまで

加奈子
あれー、おっかしーなー。
どこにしまったんだっけー…。
小太郎
ん?
加奈子ちゃん、どうしたにゃ?
加奈子
小太郎が赤ちゃんだった時に博士から貰った「子猫の飼い方・育て方」のメモが無くなっちゃったのよ…。
私の友達が子猫を拾ったみたいで、育て方が分からないって言うから博士のメモをあげようと思って。
小太郎
加奈子ちゃん片付け下手だから絶対見つからないにゃ。
子猫の為に僕が人肌脱いでやるにゃ。
ハカセー!!
キャットフード博士
あら小太郎君、どうしたの?
え?あぁ、子猫の育て方ね。
あの時は急いでいたから必要最低限の内容しか書いて渡せなかったけど、ミルクのあげ方やトイレのしつけ、ワクチンや避妊・去勢手術まで、子猫の飼い方・育て方を徹底的にまとめたの。
子猫を譲り受けた・捨て猫を保護している方は参考にしてみて下さいね。

 

猫の月齢を調べる

生後日数 体重 その他の特徴
生後1日 100~130g 目が開かない
生後4日 150~180g 早い子は目が開く
生後1週間 220~280g ほとんどの子の目が開く
生後2週間 280~330g 乳歯が生えはじめる
生後3週間 380~400g シャーっと威嚇をする
生後4週間 430~500g 早い子は自力での排泄ができる
生後5週間 520~550g 乳歯が生えそろう
6週~2カ月 900~1,000g 柔らかく食感のある食べ物に変えていく
2カ月~5カ月 1,000~2,500g 徐々にドライフードに慣らす

 

かなりざっくりではありますが、体重や歯の状態から生後どれくらい経過しているかが分かります。もしまだ動物病院が開いている時間帯であれば獣医に診て貰いましょう。同じく歯の状態や体重からざっくりとした週齢を出してくれます。それを元にミルク・離乳食・ドライフードを与えて下さい。

 

体重に関しては両親の血統や、兄弟が何匹いたかによってかなり大きく変わります。なので初めて子猫を保護した場合は判断が難しい為、自信が無ければ獣医に診て貰うのが間違いないでしょう。兄弟が2匹と8匹とでは生後2ヵ月時に約55%も体重差が出るとも言われています。

 

子猫へのミルクの与え方とよくある疑問

生後日数 1回のミルクの量 回数
0~1週目 1cc 7~8回(2~3時間おき)
1~2週目 10cc 5~8回(3時間おき)
2~5週目 飲めるだけ 5~6回
5週目~ 飲めるだけ 先に離乳食を食べさせる

 

子猫には上記を参考にミルクを与えて下さい。ミルクを飲ませる時は吐き戻してしまう為、うつぶせで飲ませましょう。基本的に上記以上に欲しがる場合はあげても問題ありません。子猫の内は欲しがるだけ飲ませて大丈夫です。ただ、たくさん飲ませると吐き戻したりするのでその辺りの様子を見ながら行いましょう。

 

5週目以降は離乳食の訓練を始めます。ミルクの前に指で上あごに離乳食を塗っていきます。子猫用の離乳食を使っても良いですし、緩めのペースト状にしたキャットフードを使っても良いでしょう。その後ミルクを与えます。2~3日続ければ離乳食を食べるようになります。

 

完全に離乳食に以降する際には「子猫用の総合栄養食と書かれた離乳食」か「子猫(キトン)用の総合栄養食」と書かれたフードをぬるま湯で浸して柔らかくしたものをあげて下さい。「成猫用のフードでも全ライフステージ(年齢)対応のもの」であれば問題ありません。

 

ミルクの温度は何度くらいがいいの?
37~38℃の人肌が良いです。暑すぎると子猫が火傷をしますし、ぬる過ぎると飲みが悪くなるので湯銭しながら温度を調整すると良いでしょう。
ミルクは起こしてでもあげた方が良いの?
ミルクの時間になったけど寝ている場合は無理に起こしてまで飲ませる必要はありません。起こしてもあまり飲んでくれないことの方が多いです。但し、ミルクのタイミングを2回飛ばしてしまうと低血糖症を起こす可能性があるので、あまりに寝てばかりいる場合は起こしてでも飲ませた方が良いです。
離乳食の食いつきが悪いんだけど…
・チキン系を食べないのであれば魚やラム系に変えてみる

・ふやかしたドライフードにミルクを混ぜる

・離乳食を食べないならドライフードをふやかしたものををあげてみる

牛乳をあげてもいいの?
テレビや漫画で子猫に牛乳を与えている場面を良く見かけますが、「子猫に牛乳はNG」です。単純にお腹を壊すこともあるんですが、母乳と比べると栄養価が低く栄養不足による成長不良の原因となります。子猫用に調整されたミルクをあげて下さい。

 

お店が閉まっている場合は、夜間診療を行っている動物病院があればミルクを譲って貰えるように相談してみると良いでしょう。最悪、どうしても子猫用のミルクを用意できない場合は、その晩は牛乳をあげて翌日には必ず子猫用のミルクを用意してあげて下さい。

排尿・排便の手伝い(生後20~40日頃まで)

早い子なら生後20日程度、遅い子でも生後40日頃までには自力で排泄ができるようになります。本来、母猫が居れば舐めて刺激することで排尿・排泄を促してくれますが、この期間の子を育てることになった方は参考にしてみて下さい。生後20日程度からトイレを用意してあげましょう。

 

通常は猫砂を入れておけば自然とトイレに行って排泄するようになります。トイレは子猫でも入り易いように入口が低いものを選んであげると良いでしょう。もし粗相が目立つ時はトイレ砂の上で排泄を手伝ったり、おしっこがついたティッシュをトイレに入れておき、ニオイでトイレの位置を覚えてもらうとうまくいきます。

 

その他に猫は排尿・排泄する際にニオイで獲物や外的に気づかれることを嫌うので穴を掘ってからします。寝起きやミルクの前は排尿し易いタイミングなのでトイレに連れていき、人の手で猫砂をほじくると本当的にトイレだと理解してくれます。この時期はまだしっかりと歩けないこともあるので、寝床からトイレは近い場所に設置してあげましょう。

 

排尿の手伝い方法

タオル・ティッシュ・新聞紙など、なんでも良いので汚れても良いものを使って陰部を刺激してあげます。本来は母猫が舐めて刺激することを考えるとティッシュなどを濡らしてあげた方が良いでしょう。子猫の陰部に濡れたティッシュを当てて上下に軽く擦ってあげる(ポンポンと当てるくらいで充分)と薄い黄色のオシッコが出てきます。

 

1回での量は毎回異なるので、完全に色が付かなくなるまで手伝ってあげて下さい。(色が分かりやすいようにティッシュやガーゼなど白い方がおすすめ)ミルクの前後にやってあげるのが理想です。ミルクの前に行う理由は、お腹に空きスペースができるのでミルクの飲みが良くなる為です。

 

排便の手伝い方法

うんちは通常24時間~36時間に1回です。おしっこの時と同様に陰部辺りを刺激してあげることでペースト状のうんちが出てくるので、こちらも完全色が付かなくなるまで何度かやってあげて下さい。通常はペースト状ですが、緩すぎたり固すぎる場合は感染症や水分不足が考えられます。また、3日以上便秘が続く場合も動物病院に連れていき獣医の指示を受けて下さい。

 

子猫の便秘対策

  • お湯で濡らして固く絞ったタオルで全身を拭く
  • ミルクのメーカーを変えてみる
  • 基準よりも薄めに作る
  • 歩けるようならよく歩かせる

中には2日に1回しか出ない子もいるのでミルクを良く飲んでいる内は心配いりません。タオルや一度くしゃくしゃにした新聞紙などを使うと、母猫の舌のザラザラした感じに似ているのかうんちをしてくれることがあります。その他に下記も試してみて下さい。

子猫の下痢対策

  • ミルクを基準通り作っているか確認する(薄く作っていることが多い)
  • お腹に寄生虫がいないか検査する
  • 寝床の温度を確認する

 

0~1週目の猫の育て方・飼い方

ミルク」や「排泄」の手伝いをする際は必ずお湯で手を洗って、清潔に保ちつつ手を温めておくように心がけて下さい。へその緒はだいたい4~7日程度で取れるので自然にとれるまで放っておいて大丈夫です。基本的に子猫は1日20時間も寝ると言われています。睡眠が不十分だと成長不良につながるので、ミルクと排泄以外はあまりいじらず寝かせておいてあげましょう。

 

この頃の子猫は自分で体温調整が出来ません。基本的には母猫のお腹付近で自分にとってベストな温度のところを探すか、兄弟猫とくっつき合って体温を保ちます。兄弟猫や母猫がいる場合は放っておいて構いませんが、そういった体温維持をする場が無い場合は次のようなアイテムを使って子猫の体温を維持してあげて下さい。

 

  • カイロをタオルでくるんだものを寝床にセットする
  • 寝床(段ボールがおすすめ)に毛布を入れてあげる
  • ペット用の電気カイロを使う
  • ペットボトルに40℃くらいのお湯を入れて布でくるんだもの

 

保温具は段ボールの片側に入れて、子猫が自分で適した温度の場所を探させます。室温は夏も冬も25℃がベストと言われています。段ボール内から温度が逃げてしまわないように入口を狭く作り、天井部は蓋がついた状態か毛布を掛けておくと良いでしょう。

 

 0~1週目は寝床の温度は30℃・湿度は55~65%が理想 と言われています。熱くなりすぎたり寒くなりすぎないように温度計などをセットし、常に温度と湿度をチェックしてあげましょう。

 

1~2週目の猫の育て方・飼い方

ミルク」と「排泄」についてはリンク先をご確認下さい。この頃の寝床の温度は27℃が理想と言われています。基本的には7~10日くらいで目が開き始めて2~3日で完全に開きます。もし生後10日経ってもまだ目が開かない場合は濡らしたガーゼなどで目元を優しく拭いてあげましょう。

 

直ぐに粘度の高い膿のようなものが出てくる場合は目薬(抗生物質)が必要なケースもあるので獣医に相談しましょう。目薬を使っていれば問題なく治りますが、放置すると失明する危険もあります。大げさに聞こえるかもしれませんが、初めての子猫で目やにの量が気になる場合は獣医に相談する方が安心です。

 

2~5週目の猫の育て方・飼い方

ミルク」についてはリンク先を参考にして下さい。「排泄」については早い子だと3週目あたりから自分で排尿・排泄ができるようになるので、必要に応じて寝床からあまり離れていない距離にトイレを設置してあげるとトイレのしつけが早い段階からできます。

 

だいたい立てるようになるのが3週目あたりからなので、まだそれほど遠くまでは移動できません。また、高い所にも登れないので トイレの入り口は低いものを選ぶと良い でしょう。この頃の寝床の温度は24℃が理想と言われています。

 

生後3~4週目あたりからシャーっと威嚇をしたり兄弟猫がいればじゃれ合って「噛む時の力加減」などを学ぶ社会科期に入ります。兄弟猫がいる場合はまだ引き離さずにきちんと遊ばせることで、甘噛みと本気噛みを使い分けられるようになります。5週目には乳歯が生えそろいます。

 

乳歯が完全に生えそろったら離乳食に慣らしていきます。ミルクとは違い、ある程度食感が残っていて噛みながら食べられるようなフードです。いきなりは難しいので、ミルクの前に指で救った離乳食を上あごに塗ってあげます。最初の内はミルクを欲しがるので離乳食の訓練をした後にミルクを与えて下さい。

 

だいたい2~3日続ければ離乳食に慣れて自分から離乳食を食べてくれるようになります。稀にどうしてもミルクしか飲まない子がいるので、その場合は根気強く離乳食の訓練を続けて下さい。この時に使う離乳食はドロドロで食感が無い状態のものを使います。(ドライフードなら一度粉々に砕いてからぬるま湯でペースト状にする)

 

6週目~2カ月の猫の育て方・飼い方

離乳食に慣れてきたら、ある程度食感のあるものを与えていきます。理想としては味付けせずに茹でただけのささみ肉などを口に入るくらいの大きさに割いたものが良いんですが、栄養が偏るので市販の子猫用の離乳食か子猫用のドライフードをぬるま湯でふやかしたものを使います。

 

この頃は成長の為に多くの栄養を必要とする為、食べられるだけ与えて大丈夫です。但し、1回で食べられる量が少ないので 1日3~5回に分けて与えましょう。 ミルクから餌に変えた直後は消化能力も低いのでおやつにミルクを与えます。

 

キャットフードをあげる場合はくれぐれも「子猫(キトン)用」か「全年齢対応の総合栄養食」を選んで下さい。この期間はまだ完全なドライはあげずに、ドライフードをぬるま湯でふやかしたものをあげた方が良いです。(人によってはドライフードをあげる人もいますが)

 

1回目のワクチンは生後6~8週目に行う

1回目のワクチンは生後6~8週を目安に行います。これは、母乳(初乳)によって得た得た免疫力が切れるタイミングで行う為です。ワクチンについてはアレルギー反応によって亡くなってしまう危険性もありますし、逆に子猫がかかると命に関わるような病気を防いでくれるメリットもあります。

 

母乳(初乳)を飲んでいない子は6週目からスタートするのが一般的です。「【猫のワクチン徹底ガイド】回数・頻度・必要性・いつから始める?」でワクチンの必要性や、防げる病気などについて詳しくまとめているので参考にして頂き、かかりつけの獣医にもよく相談してから行いましょう。

 

ただ、保護した子猫は保護したタイミングにもよりますが、脱走癖がある子が多く網戸などを破って逃走したり、飼い主が玄関から出る隙に逃走することが多いです。外に出ることによって他の野良猫と接触する機会ができ、感染症にかかるリスクもあるので元野良の子を飼う場合はこの辺りの注意も必要です。

 

2カ月~8か月の猫の育て方・飼い方

この頃から少しずつドライフードに慣らしていきます。具体的にはドライフードをふやかす水の量を少しずつ減らしていきます。生後100日頃まではおやつのミルクをあげましょう。完全にドライフードに切り替えるのは生後5ヵ月を目安にします。これは乳歯から永久歯に生え変わるタイミングです。

 

ブリーダーの場合は永久歯の生え方やアゴへの負担を考えて5カ月以上後にするケースもあるようです。また、獣医によっては大変だから4か月でドライにして良いという方もいます。必ずいつまでにドライに切り替えないといけないという決まりはないので、手をかけてあげられるなら生後5ヵ月を目安にしてあげましょう。

 

ご飯の回数は3カ月までは1日4回、5カ月までは1日3回、6ヵ月以降は1日2回に減らしていって大丈夫です。ただ、小柄な子や小食の子は1度に食べる量が少ない傾向にあるので「1 【雑種・大型・小型】それぞれの月齢にみる体重の増え方(推移)」を参考に、小柄な子や小食な子はまだ回数を分けてあげましょう。

 

初回ワクチンから1ヵ月と4か月後に追加摂取

2015年に更新された「【猫のワクチン徹底ガイド】回数・頻度・必要性・いつから始める?」では生後6~8週に行ってからおよそ2~4週後に2回目の追加摂取を行います。ただ、この辺りは研究によって日々更新されていくので、獣医に相談するのが確実です。ワクチンのメリット・デメリットについても書かれているので、興味がある方は上記のリンク先も読んでみて下さい。

 

生後16週の摂取(3度目)を目途に初年度のワクチン接種が完了します。最終摂取から6か月後に強化目的で行う行うブースターという摂取もありますが、これも動物病院によって行う場合と行わない場合があります。獣医と相談した上で必要だと感じたら行うようにしましょう。

 

避妊・去勢手術は生後5ヵ月を目安に

避妊・去勢手術を行う場合は生後5か月を目安に行いましょう。ただ、ひと昔前までは「麻酔による負担を考慮し、体重が2㎏を超えてから」という認識が一般的でした。その為、未だに体重によっては手術をしてくれない病院もあります。健康診断やワクチン摂取も兼ねてこの頃から獣医に相談してみると良いでしょう。

 

ちなみに、野良ネコを保護した場合、保護した月齢にもよるんですが脱走癖をもっている子が多く、完全な室内飼いが難しいケースがあります。何かの拍子に逃走してしまい、他の猫と望まない妊娠をして帰ってくることも考えられます。元野良の子を保護・飼う場合は早めに手術を受けさせることを推奨します。猫の去勢・避妊手術については費用やメリット・デメリットなどをまとめたのでリンク先の記事を参考にしてみて下さい。

 

8か月~1歳までの猫の育て方・飼い方

この頃になると見た目はほとんど成猫と変わりません。獣医によっては「この頃からカロリーコントロールを」という方もいます。ただ、雑種(成猫時に4㎏前後になる)の場合、8か月以降も緩やかに成長を続けます。8か月を迎えた時点で既に肥満体系であればカロリーコントロールをして肥満を予防してあげる必要があります。

 

ただ、3~7ヵ月のような急激な成長はないものの緩やかに成長を続ける為、この時期にメタボ状態になることはそれほど多くはありません。親の血統が分かっていれば、ある程度子猫の成猫時における体重は予想が付きますが、保護した子猫や血統が分からない場合は子猫がどれくらい大きくなるのかが分かりません。

 

実際「1 【雑種・大型・小型】それぞれの月齢にみる体重の増え方(推移)」を見て貰うと分かるように、一般的な雑種と大型種・小型種とでは成長過程でもかなり体重さが出ます。なので体重ではなくBCS(ボディ・コンディション・スコア)を元に体系をチェックしていきます。体重だけではかなりざっくりとした判断にしかなりません。BCSの見方が良く分からない方は獣医にチェックして貰った方が良いでしょう。

 

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